気軽に使える50MHz用アンテナは?(Δ3)

もしこのページを見たら「当たるも八卦当たらぬも八卦」という言葉があるように、アマチュアが試行錯誤しながら正解を求めて記しています。間違いが多い?当たっている?という思いを持ちつつ記しています。(正解はどこにあるのだろう?当然のことですが、ここに記した測定値もアマチュアが手元にある測定器で測定したため確からしさは不明です。)
今までの経緯は下記で参照して下さい。

前回Δ2での問題とやり残し
  1. ダイヤルを回転しながら同調の調整を行う時、共振するポイントが狭く見つけずらい。(Δ1の試し運用の原因はこれだった。)
  2. このアンテナを装着すると受信ノイズが強弱を繰り返しながらスピーカーから聞こえる。
  3. シミュレーションへロッドアンテナ特性を実測値未反映。
1.ポリバリコンの容量変更(4連ポリバリコン [JH443DF-4CA])

「共振するポイントが狭く見つけずらい。」は、ダイヤルを回す量に対し共振周波数の変化が大きいためなので、ポリバリコンの可変容量を更に少なくする方向にしました。Δ1でも紹介しましたように4連バリコン(C1:140pF、C2:140pF、C3:40pF、C4:35pF)のC3:40pFとC3:35pFを直列で繋ぐ案で実測を行いました。(ポリバリコン背面で容量調整実施。)

Δ3でMax容量を26pFから14pFへ。そして、可変量も20pFから10pFへ少なくなりました。(おおよそ1/2)
Δ3はダイヤル0〜180での容量変化が少なくなりました。
2.金属製ケース+カウンターポイズ追加(受信ノイズ対応)

アンテナを上部のロッドアンテナと同調部(コイルとポリバリコンを収納)に分けて考えると同調部のみ無線機に付けてもノイズは気づかないレベルでした。それにロッドアンテナを付けると、ノイズが大きくなることが判りました。これは、ロッドアンテナが空間からノイズを受信していると思われますがノイズの発生源はなんでしょう?

  • カウンターポイズ約1.3m/1本を金属ケースに付けるとノイズ低減効果がありました。
  • 上記の結果からノイズは1/2λ垂直ダイポールアンテナの片側をカンターポイズで補う1/4λ垂直アンテナに似たカウンターポイズ不足と同様な状態になっていたと思われます。
  • 7MHz用の端部給電アンテナを製作した時はコモンモード電流が流れていたので、これも同様と思われます。
もう1本付けるといいのか?もしれない。
3.ロッドアンテナの実測値(LTSpiceシミュレーション用)

ロッドアンテナとNanoVNAを繋ぐために変換コネクター(ロッドアンテナ下端にBNCコネクター+M4ネジ)を介しました。そのためアンテア長はおおよそ25mm長くなりました。
(下記表の長さは未反映)

各長さの上段の薄緑色の網掛けが実測値、下段は計算値(Δ2の値)
計算値に対し実測の値の容量性リアクタンスXcとインピーダンスZは低い傾向となりました。又、放射抵抗は高い傾向となりました。この違いは?解りません。
4.シミュレーション(LTSpice)

ポリバリコンの容量とロッドアンテナ実測値反映。(LTSpiceの回路はΔ2と同じです。)
冒頭記したようにケースは金属製とカウンターポイズを1本付けました。

50MHzを超えた共振周波数はロッドアンテナ45cm(3段)以下となりました。
(Δ2計算値のロッドアンテナでは、72cm(5段)まで共振周波数が50MHzを超えていました。)
5.NanoVNAによる実測と共振周波数、SWR(カウンターポイズ1本付)
50MHzを超えた共振周波数はロッドアンテナ18cm(1段)のみとなりました。
Δ2では32cm(2段)まで共振周波数が50MHzを超えていましたが、ロッドアンテナ下端に25mm延長(BNCコネクター+M4ネジ)した事で全長が長くなった事が影響しているかもしれません。
6.IC-705でSWR測定
ダイヤル180位置の共振周波数は、ほぼ51MHz(SWR GRAPHの棒グラフで一番低い位置の周波数が共振周波数になります。)となりました。LTSpiceのシミュレーションは50.7MHzでした。
上記からダイヤルを20位戻すと50.2〜50.3MHzが共振周波数に移り、使いたい周波数帯でSWRは下がっています。

7.簡易電界強度計による測定

お試し運用を行う予定でしたが、8月の移動運用の山登りは山頂の天候が良くなく休憩後に下山したため運用機会がありませんでした。そのため、以前作成したこちらの簡易電界強度計を使い測定する事にしました。位置付けが判るよう1/2λバーチカルアンテナも合わせて測定しました。(簡易電界強度計のアンテナは1/2λ垂直ダイポールを使用)

測定の様子

IC-705の無線機出力は0.5・1.0・2.5・5Wで測定し測定値の単位はV(ボルト)です。おおよそ、
HR-50で無線機出力が1Wの電圧が0.249V
気軽に使える50MHz用アンテナで無線機出力が5Wの電圧が0.252V
と近い値となりました。

8.まとめ

⭕️ ダイヤルを回転しながら同調の調整を行う時、共振するポイントが狭く見つけずらい。
 ⇨ ポリバリコンの容量を下げることで調整しやすくなりました。
⭕️ このアンテナを装着すると受信ノイズが強弱を繰り返しながらスピーカーから聞こえる。
 ⇨ ケースを金属製へ変更とカンターポイズにより低減(コモンモードの回り込み減少)
⭕️ シミュレーションへロッドアンテナ特性を実測値未反映。
 ⇨ 反映したことでLTSpiceシミュレーションと実機での共振周波数が、少し近づいたと思います。
⭕️ 簡易電界強度計による測定結果より「気軽に使える50MHz用アンテナ」のアンテナ長をもう少し伸ばせば効率が良くなるのだろうか?(Δ1に戻る話)

移動運用時のお試しで使い気づきがあれば追記しようと思います。

(めも:PHPのバージョンが上がったから?一部の書式が反映されなくなった。)