同軸ケーブルの減衰量が気になる

ハムフェアでカンテナの部品と八木アンテナの部品を購入していました。カンテナはIC-705へL型変換アダプターなどを使い直付でお試し運用が終わりました。次は5エレ八木アンテナを製作する予定にしていますが、その前に430MHzは周波数が高く同軸ケーブル(上記の青色線)での減衰量が気になるため、手元にある同軸ケーブル(コネクター含む)でNanoVNAを使い減衰量を測定してみました。事前の情報としてはアマチュア無線連盟(JARL)に掲載された値があります。

1.同軸ケーブルの種類と測定
測定した同軸ケーブル
4種類の同軸ケーブルと3D2Vは長さ違いで5種類を測定しました。
測定
キャリブレーション(NanoVNAの液晶が小さいのでパソコンに接続して操作しています。)
同軸ケーブルRG316をNanoVNAの装着して計測しました。
2.測定結果

・減衰量(dB):NanoVNAの測定値
・出力(dBm):出力の単位をdBm表示(WからdBmは換算表を利用しました。)
・出力(W) :無線機出力(5W)から同軸ケーブルによる減衰量(dB)を引き単位をWに換算
・例)
 測定値から計算:無線機出力5W・同軸ケーブル減衰量の測定値0.800dBの場合
 ①WからdBm換算表5W = 37dBmとなります。
 ②NanoVNAで測定した減衰量を引きます。 37(dBm)-0.800(dB) = 36.20(dBm)
 ③換算表36.20(dBm) = 4.17Wとなります。
以上から同軸ケーブル+コネクター+変換コネクターで出力は-0.83W(-17%)減衰となります。

同軸ケーブル
タイプ-
長さx太さ
ケーブル両端
コネクター
NanoVNA
取付用変換
コネクター
項目50.9
MHz
145.7
MHz
430.1
MHz
RG316-
1m x φ2.4
BNCBNC→SMA減衰量(dB)0.1610.3700.800
出力(単位:dBm)36.8436.6336.20
出力(単位:W)4.794.574.17
3D2V-
1m x φ5.3
BNCBNC→SMA減衰量(dB)0.0970.2320.497
出力(単位:dBm)36.9036.7736.50
出力(単位:W)4.904.794.47
3D2V-
2m x φ5.3
BNCBNC→SMA減衰量(dB)0.1970.3510.688
出力(単位:dBm)36.8036.6536.31
出力(単位:W)4.794.574.27
3.5DSFA-
2m x φ5.6
BNCBNC→SMA減衰量(dB)0.1110.1890.201
出力(単位:dBm)36.8936.8136.80
出力(単位:W)4.904.794.79
5DFB LITE-
1m x φ7.6
BNCBNC→SMA減衰量(dB)0.0170.0310.076
出力(単位:dBm)36.9836.9736.92
出力(単位:W)5.005.004.90
出力(W)へ換算するときは出力(dBm)の
小数点第2位を四捨五入しています
減衰量が大きい順は430.1MHzにおいて
RG316 1m > 3D2V 2m > 3D2V 1m > 3.5DSFA 2m> 5DFB LITE 1mとなりました。

減衰量の影響は無線機出力5Wに対し同軸ケーブル端部(アンテナ接続側想定)において
RG316 1m:4.17W(-17%)
3D2V 2m:4.27W(-15%)
3D2V 1m:4.47W(-11%)
3.5DSFA 2m:4.79W(-4%)
5DFB LITE 1m 4.90W(-2%)
となりました。
3.まとめ

測定結果より5DFB LITEが良い事になりますが、「アンテナと無線機間の距離=同軸ケーブルの長さ」を考慮すると、2mぐらいは必要なので「ケーブルが細い方が曲げやすく扱いやすく、収納スペースも小さくできる」もあり、3.5DSFA 2m を使う事にします。